超カネ余りバブルの終わりは近いのか
今日は、澤上篤人さんの新著『大逆回転前夜 資産防衛の最終警告』を手がかりに、いまの相場に潜む「暴落リスク」について整理してみる。なお本書は2025年12月19日発行とされている。
著者・澤上篤人さんとは
澤上篤人さんは、独立系の長期投資を掲げる「さわかみ投信」の創設に関わり、会長職などを務めてきた人物である。
「長期投資のパイオニア」という文脈で語られることも多く、個人投資家の世界では知名度が高い。
本書の主張をざっくりまとめる
本書が一貫して強調しているのは、現在の株高(日本・米国を含む)が「純粋な成長」だけで説明できる局面ではなく、長期にわたる過剰流動性、そして年金マネーを含む巨大資金の流入によって支えられてきた“超カネ余り”の結果だ、という見立てである。
さらに、資産運用の世界が本来の長期目線から離れ、インデックス(パッシブ)運用の拡大とともに「短期の成績」が過度に意識されやすい構造になっている点にも警鐘を鳴らす。
そして最も怖いのは、いったん市場が崩れたときの局面だ。価格下落で金融資産が目減りする一方、負債は残り続ける。結果として資産デフレ的にマネーが縮み、危機が増幅しうる——という方向感で語られている。
注意が必要なのは、著者がアクティブ運用側の立場にいることだ。インデックス運用の拡大を批判的に見るのは、ある意味で当然でもある。つまり本書には「ポジショントーク」が混ざりうる。
ただし、ポジショントークだからといって、論点が無価値になるわけではない。むしろ、流行っているものほど「前提」を点検する価値がある。
インデックス一本化への違和感
私自身も、いま広く推奨される「インデックス投資一本でOK」という空気に対して、引っかかるところがある。
全世界で平均化した成長率が年3〜5%程度だとすれば、現在の株式市場の上昇はあまりにも速すぎる。そしてその頃に疑問を思わず、米国株インデックスや全世界インデックスを持っておけばOKと言うのは、都合が良すぎる。そして山が高ければ谷が深いという言葉がある通り、急上昇の後には急落がの可能性があるのは言うまでもない。
とはいえ、暴落のタイミングやトリガーを当てるのは難しい。ここは多くの人が言う通りで、結局「いつ起こるか」を予想して儲けるのではなく「起きても耐えられるか」に落とし込むしかない。
だから調べて想像する
暴落の日時を当てられない以上、やるべきことは限られる。
- 価格の“形”から兆候を探る(パターン分析)
- いま市場を支えているテーマ(AI・半導体など)の実需や制約を調べる
- その上で「起こりうるシナリオ」を複数持つ
要するに、断言ではなく仮説で構える、ということだ。これについてはこのブログも1つの参考にしていただきたい。
「暴落に強い」と言われたファンドは、次でどうなるか
さわかみファンドは、過去の下落局面での下落率が相対的に小さかったことで話題になったファンドである。(現金比率の高さなどが理由として挙げられやすい)。
次の本格的な下落相場で、その特徴がどう評価されるのかは見ておきたい点だ。
同時に、インデックス投資・パッシブ投資が「万能」として語られてきた雰囲気が、次の危機でどう変わるのかも興味深い。良し悪しではなく、“信じられ方”が変わる可能性がある。
まとめ
暴落はいつか来る。しかし、いつ来るかは分からない。だからこそ、「一本化された常識」を点検し、相場の前提が崩れたときにも行動できるように備えておく必要があるだろう。

